保育士資格は持っているけど、40代、50代にもなって今更保育士の仕事は無理かな…
そう思っているそこの保育士さん、そんなことはないんですよ。
今回は、40代、50代の保育士転職・就職について、お話していきたいと思います。
増加する潜在保育士
「潜在保育士」という言葉を聞いたことがありますか?
潜在保育士とは、保育士の資格を持ちながら、保育と関わりの無い職場で働いている、もしくは働いていない人のことで、なんと全国で70万人いると言われています。
保育士という職業にあこがれ、夢を持って保育士資格をとったはずなのに、いざ保育現場に入ってみると、理想とのギャップに苦しみ、結局保育士の道を断念してしまった。そんな保育士がとても多いのが現状です。
なぜ今また、保育士の仕事をまたはじめようと思ったのですか?
自分の育児が落ち着いた
子どもが大きくなり、やっと自由な時間を持てるようになりました。
参観日に面談、運動会などの行事参加、毎日の弁当作りなどなど、お疲れさまでした。
お金が必要
子どもが大きくなって手が離れたとはいえ、大学に進学するとなればたくさんのお金がいります。
消費税は上がるし、老後も心配だし。お金を稼ぐのは大切ですね。
資格があるなら使いたい
せっかく保育士資格を持っているのに、保育士の仕事を経験したことがないのはもったいないですね。
資格は武器です。使えるものは使いたいものです。
40代、50代で保育士転職できる?
転職理由は人それぞれですが、共通して心配なのは「40代、50代で保育士に転職できるのか?」ではないでしょうか?
40代、50代保育士の転職が可能な理由はいくつかあるので、確認してみましょう。
- 保育士不足
- 専門職の強み
- 勤務時間の融通が利きやすい
保育士不足
日本では今、保育所に入れない子どもたち、いわゆる待機児童が大きな問題となっています。
同時に保育士不足も深刻な問題です。
「保育園落ちた死ね!!!」というブログも話題になりましたね。
待機児童が発生してしまう最も大きな原因の1つが、保育士不足です。
保育士不足なのだから、保育士資格を持った保育士が求められているのは当然ですね。
専門職の強み
保育士は専門職です。
保育士資格は国家資格なので、資格を取るには、
・専門学校・短大・大学などの養成校を卒業する。
・保育士試験(筆記・実技)に合格する。
の2つの方法があります。
国家資格に合格し、保育士資格を持った者だけが「保育士」と呼ばれます。
保育士は専門的な職業です。
保育士資格を持っているだけではなく、保育をおこなうには保育スキルが必要です。
保育スキルには、育児スキルの要素もあると私は思っています。
特に保護者対応では、育児経験から培った育児スキルが大いに役立ちます。
勤務時間の融通が利きやすい
子育てがひと段落して落ち着いた40代、50代の保育士は、早出や遅出に対応しやすいです。
保育所にもよりますが、多くは早出で7時出勤、遅出で20時過ぎまで業務があり、この時間帯を回避するパート保育士も多いです。
保育所側に、早出・遅出の時間帯に勤務可能なことを伝えれば、より採用されやすく、時給などの条件も良くなる可能性があります。
40代、50代保育士のおすすめ転職先
保育士資格が活かせる、保育士の転職先にはどんな場所があるのか、確認してみましょう。
- 他の保育所、幼稚園
- 児童福祉施設
- 病院内、企業内保育所
- 保育ママ
- 学童保育施設
他の保育所、幼稚園
辞めたい保育所から他の保育所や幼稚園への転職は、保育士の転職先として最も多いのではないでしょうか。
環境が変われば人間関係も変わり、辞めたい理由も改善されることも多いです。
児童福祉施設
児童福祉施設には種類があり、私がおすすめする療育施設も含まれます。
乳児院
原則として1歳未満の乳児を主に療育する施設です。
夜勤があるので、体力的には厳しい面がありますが、夜勤手当は5,000円以上が一般的なので、お金が必要な人には向いていると言えます。
児童養護施設
保護者のない児童、虐待されている児童、その他環境上擁護を擁する児童を入所させて擁護したり、退所した子どもに対する相談や、自立支援をおこなう施設です。
現状は入所児童のほとんどが虐待児だという施設もあり、心のケアが大変重要になっています。緊急に保護が必要な子どもやDVを受けている母子などを一時的に保護する「一時保護」もおこなっています。
働き方はシフト制ですが、不規則です。
障がい児入所施設
障害がいのある子どもを入所させて保護し、自立に向けた計画的な支援を提供します。福祉サービスを行う「福祉型」と、福祉サービスに併せて治療を行う「医療型」があります。
知的障がい、盲ろうあ、肢体不自由など、障がいの特性に応じてサービスを提供します。
障がい児通所施設
児童発達支援(就学まで)
放課後等デイサービス(就学後~18歳まで)
障がいのある子どもが通所利用し、社会性を育てたり基本的生活習慣が身につくよう訓練(療育)する施設です。
保護者支援も手厚く、保護者が気軽に相談できる環境から「身近な療育」の場になっています。
児童発達支援、放課後等デイサービスは、保護者対応がとても重要な業務になります。
利用の保護者は育児に大きな悩みを抱えているので、40代、50代保育士の育児経験が役立つのです。
若い保育士よりも年配保育士に信頼を寄せる保護者も多い傾向にあり、自身の育児経験から保護者支援ができる保育士は重宝されます。
病院内、企業内保育所
社内・院内に保育施設が設けられ、そこで保育をおこないます。
働くママさんを支援するため、保育所を社内に設置する企業も増えています。
保育経験者は、保育スキルが大いに役立ちます。
保育ママ
主に3歳までの乳児を自宅で保育します。
保育時間や延長保育については保育ママ自身が設定できます。
自宅が職場になるので通勤が不要です。
学童保育施設
学童保育は、「学童クラブ」「放課後児童クラブ」とも呼ばれ、学童児(通常小学校1~3年生)を放課後から保護者が迎えに来るまで預かる施設です。
保育士資格は必須ではありませんが、持っていれば歓迎されます。
子どもと一緒に遊んだり宿題を見てあげたりなどするのがメインの仕事内容になります。
療育施設に転職するメリット
人間関係の構築が難しいと言われる保育現場ですが、その理由は2つあります。
- 保育士の人数が多い
- 女性保育士が多い
保育士の人数が多い
保育所も幼稚園もクラスが多く、クラスが多ければそれだけ保育士の数も増えます。
保育士の人数が多ければ多いほど、些細なことが深刻なトラブルに発展するなど、人間関係を円滑に保つのが難しくなります。
自分の保育感を持つことは悪いことではないのですが、保育感や価値観の違いも、お互いに受け入れられなければトラブルの原因になります。
女性保育士が多い
やはり女性が多いというのは、1番大きい原因でしょう。
男性保育士が増えてきているとはいえ、保育現場はまだまだ女性社会です。
男性相手ならそこまで言うことはないのに、女性同士だと必要以上にきつい言い回しをされるなど、よく聞く話です。
保育所の保育方針が自分の保育感と合わないと感じても、変えること難しいですね。
長く運営していればいるほど、方針は固まっているので変えようがありません。
ですが、新しい施設ならどうでしょう?
施設の保育方針も保育感も「新しく考えていく」としたら、自分の保育感に合った保育ができるんです。
では、どうすれば「新しく考えていく」ことができるのでしょうか?答えは
新しい施設に転職することができれば、保育方針も保育の流れも、一から一緒に考えることができます。
では、どうすれば「新しい施設に転職する」ことができるのでしょうか?答えは
新規開設される保育所や幼稚園を探すのはなかなか難しいですが、療育施設なら結構見つかります。
療育を必要とする子どもの人数に対して、療育施設の割合はまだまだ低いのが現状です。
療育施設(児童発達支援、放課後等デイサービス)は、利用料の保護者負担が1割なので、比較的利用児童を集めやすいメリットがあるため、新規に参入する企業も増えています。ですから、新しい施設で新しい療育プログラムを一緒に考えることができる可能性が高いのです。
新規に療育施設が開設されたからといって、すぐに飛びつくのは危険です。営利目的で開設される事業所も後を絶たないので、実際に経営者に会って「事業所を開設した思い」を聞いてから転職を考えましょう。
まとめ
40代、50代保育士の皆さん、いかがでしたでしょうか。
まだまだ働き盛り、保育士の需要は大いにありますよ!
- 保育士不足なので保育士は求められている
- 育児経験が役立つ転職先がある
- 新規開設された事業所がねらい目
- 転職には療育施設がおすすめ
どの施設に転職するにしても体力は必要なので、ずっと家庭におられた方は意識敵意に「歩く」など、少し体力をつけるといいかもしれません。
転職すれば子ども相手の仕事です。子どもと関わることでパワーをたくさんもらえるので、きっと若返りますよ。
もし、療育施設への転職に興味がおありなら、保育士専門の求人サイトをのぞいでみてください。非公開情報も多数ありますよ。