「児童発達支援ってよく聞くけど何をしているのか知らない」という保育士さんも多いのではないでしょうか。
そこで今回は、児童発達支援で実際に仕事をしていた私が、経験談も交えてわかりやすく紹介していきたいと思います。
児童発達支援概要
児童発達支援とは、障害児通所支援の一つで、6歳(小学校就学前)までの障がいのある子どもが主に通い、支援を受けるための施設です。
日常生活の自立支援や機能訓練を行ったり、保育園や幼稚園のように遊びや学びの場を提供したりといった障がい児への支援を目的にしています。
児童発達支援は2つ種類があります。
- 児童発達支援センター
- 児童発達支援事業所
児童発達支援センター
児童発達支援センターとは、障がいを持つ子ども達が、支援や指導、訓練などを受けるための通所施設です。
児童発達支援センターには、福祉サービスのみを行う福祉型と、福祉サービスと治療の両方を行う医療型があります。
地域支援として、障がい児相談支援、保育所等訪問支援も行います。
児童発達支援事業所
児童発達支援事業所とは、障がいのある未就学児が、日常生活における基本的な動作の指導や、社会性を養い集団生活への適応訓練等を行う通所施設です。
障がい児や、その家族に対する支援を行う身近な療育の場とされています。
児童発達支援対象
児童発達支援の対象は、6歳(未就学児)までの障がいのある子どもです。
療育手帳がなくても、療育の観点から支援が必要であると認められ、受給者証を発行してもらうことで利用が可能です。
受給者証とは、受給者証は福祉サービスを利用するために交付される証明書です。各市町村自治体が発行します。
児童発達支援の支援内容
児童発達支援の支援内容は、施設によって大きく違います。
- 習い事型
- 療育型
- 預かり型
習い事型
習い事型は、運動、音楽、勉強など、専門的な支援を行う施設です。
療育時間は短めで、週に1回、1~2時間の療育が多いです。
マンツーマンでの個別療育を行っているところもあります。
療育型
療育型は、幼稚園や保育所の流れを凝縮した形の流れで療育を行う施設です。
「はじまりの会」から始まり、設定遊びがあり、おやつを食べ、「おかえりの会」で終了する流れが多いです。
幼稚園や保育所と違ってクラスの子どもの人数が少ないので、手厚い療育が可能で、小集団の中での個別対応も行います。
預かり型
預かり型は、自由遊びの時間が長く、ゆったりと過ごせる施設です。
好きな遊びを楽しんだり、散歩など園外で過ごしたりします。
施設によっては、カラオケやボーリング等へ行くところもあります。
児童発達支援の職員
児童発達支援では、保育士または児童指導員が1人以上、児童発達支援管理責任者が1人、その他に設備や人材管理を行う管理者が1人必要です。
また、保育士、児童指導員といった障害福祉サービス経験者が規定人数に達していないと減算になります。
これは、放課後等デイサービスの質の向上のためで、特に児童発達支援管理責任者の責務は重く、療育に対する姿勢が問われます。
療育の軸となるのは児童発達支援管理責任者ですが、日々の療育プログラムを考案するのは、保育士か児童指導員です。
児童指導員養成学校などを卒業する以外に、実務経験で取得可能です。保育士は国家資格ですが、児童指導員は任用資格です。放課後等デイサービスなどで、児童指導員として採用され勤務している期間のみ、児童指導員を名乗ることができます。
児童発達支援では、規定の人員(児童発達支援管理責任者1人、管理者1人、保育士または児童指導員が1人以上)が揃っていれば、他は無資格でも働くことができます。
実際に無資格の職員も多いのが現状なので、保育士資格があれば、現場では重宝されます。
児童発達支援センターでは、嘱託医1人以上、栄養士及び調理師各1人以上必要です。
施設によっては、ST(言語聴覚士)、OT(作業療法士)、PT(理学療法士)といった専門士が療育に携わっていることも少なくありません。
児童発達支援の選び方
児童発達支援のを利用したいけど、何を基準に選べばいいのかわからないという保護者さんは多いですね。
児童発達支援を選ぶにもポイントがあります。
- 子どもに合っているか
- スタッフの対応
- 個別支援計画
- 見学
子どもに合っているか
子どもに合っている施設かどうかは1番大事です。
子どもの得意を伸ばせるような活動をおこなっているかどうか確認しましょう。
月や週で療育プログラムが決まっているはずなので、見せてもらいます。
子どもが「やりたい」と言えば、第一段階は合格です!
スタッフの対応
スタッフの対応も大事です。
子どもに対しての言葉遣い、対応の仕方など、よく観察してください。
特に子どもに何かを伝える時に、言葉だけでなく、視覚支援を行っているかはポイントです。
壁やホワイトボードなどに視覚支援の絵カードや写真カードがあるか確認するのもいいと思います。
子どもへの対応も重要ですが、保護者に対する姿勢も大事です。
初日に対応するのは、おそらく児童発達支援管理責任者ではないかと思います。
児童発達支援管理責任者は、子どもの個別支援計画を作成する役割を持っている療育の要です。
個別支援計画には、「どんな子どもに育ってほしいか」という保護者の思いも盛り込むので、話しやすい人、話をしっかりと聞いてくれる人が望ましいですね。
児童発達支援管理責任者の人柄はとても大事です。
個別支援計画
個別支援計画をちゃんと作成しているかは、大きなポイントなので、必ずあるか聞いてください。
あるなら実物を見せてもらいます。
作成しているなら見本があるはずです。
個別支援計画を作成していない、見せてくれない場合はNGです。他の施設を探しましょう。
個別支援計画の他にも、自己評価表が公開されているかもポイントになります。
自己評価表には、事業者向けと保児童発達支援とは?護者等向けがあり、年に1回以上、評価して公開しなければなりません。
保護者向けの自己評価表は、保護者に渡して回答してもらって集計するので、もしご利用の児童発達支援で「自己評価表なんてもらったことない」という保護者の方は、施設に問い合わせてみてください。
見学
施設見学も必須です。
ポイントは、子どもがいる時に療育を見学することです。
建物だけ見たところで何もわかりません。
大事なのは場所ではなく人です。対応です。
子どもに対してどういう対応をしているか、療育の場を見れば一目瞭然です。
見学のポイントは、子どもが楽しそうに参加しているかどうかです。
楽しいか嫌々参加しているかは、子どもの表情を見ればわかりますよね。
まとめ
児童発達支援についてのお話でしたが、いかがでしたでしょうか。
私自身、児童発達支援事業所で児童発達支援管理責任者として働いたことで多くを学び、保育士としても大きくランクアップできたと思っています。
児童発達支援では、発達障がいの子どもさんが多く利用されています。
幼稚園でも保育所でも、発達障がい児への対応が難しいと感じている保育士も多いと聞きます。
保育希望の保育士は、まず児童発達支援で療育を学ぶと、保育現場での対応が違ってきますよ。
経験上、私の1番おすすめの保育現場は、児童発達支援です!
児童発達支援への転職に興味がおありなら、保育士専門の求人サイトをのぞいてみてください。非公開情報も多数ありますよ。