療育のコツ PR

保育士必見!児童発達支援管理責任者が教える療育(丁寧な保育)5つのポイント

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保育士の皆さま、毎日の保育お疲れさまです。
発達障がい児が増えている昨今、従来の保育のやり方だけでは、クラスをまとめるのも一苦労ですね。
たった1人の発達障がい児への対応が適切でないだけで、計画通りに保育が進まず、自分の保育力のなさに落ち込む、なんてこともあるのではありませんか?

死神くん
死神くん
保育中に「やりにくいなぁ」と思っているだけじゃ状況は何も変わらへんで。

発達障がい児を療育する療育施設で、実際に使われている療育のポイントを意識すれば、日々の保育がスムーズに進められ、保育士としての自信もつくはずです。

療育のポイントは、大きく分けて5つあります。
もちろん、細かいポイントはたくさんありますが、この5つのポイントを意識するだけでも、子どもの反応は全く違ってきます。

あすた
あすた
それでは、1つずつ療育のポイントを説明していきますね。

無理強いしない

設定保育は集団遊びです。
集団遊びというからには、できればクラスの子ども全員に参加してもらいたいと思いますよね。
ですが、せっかく「楽しいはず」だと思って計画した遊びでも、「やりたくない」と感じる子どもがいます。

設定保育の集団遊びで、子どもが「やりたくない」と言った時、あなたは保育士としてどのような対応をしていますか?

①遊びの目標を達成させたいから無理にでも参加させる。
②無理には参加させないが、できそうな場面だけ促す。
③嫌がっているのだから参加させない。

遊びの目標を達成させたいから無理にでも参加させる。
子どもの反応
・嫌々でも参加する。
・「絶対に嫌だ!」と泣きわめく。
結果
・やらされ感が強く、楽しいと感じにくい。
・「次はもうやりたくない」と思う。

②無理には参加させないが、できそうな場面だけ促す。
子どもの反応
・子どもが主体的に参加不参加を選べる。
結果
・子どもが「できる」と思った場面に参加できる。

嫌がっているのだから参加させない。
子どもの反応
・参加しない。
結果
・遊びの楽しさがわからず、次も参加しない。

いかがですか?(※子どもの反応、結果は一例です。)

あすた
あすた
②の「無理には参加させないが、できそうな場面だけ促す」ことが効果的だとおわかりいただけたと思います。

無理には参加させないが、できそうな場面だけ促す

子どもの力は主体的に行うことで引き出されます。

例えば、折り紙を促す時に「これで飛行機を折りましょう」と言って手渡すより、「赤と青どっちで、飛行機折りたい?」と問いかけて渡し、子どもが自分で選ぶ方が、子どもが意欲を持って取り組むことができます。
また、「次は黄色で折る」など、子ども自身が遊びを発展させていく力がつきます。

あすた
あすた
子どもが主体的に遊びを行うと達成感が大きくなり、やらされ感を感じるとやる気が下がります。

達成感や満足感は自己肯定感を育てます。

設定保育など、子どもと一緒に遊びを考えるのもおすすめですよ。
子どもの主体性を育てるだけでなく、保育士の臨機応変さも試されます。

子どもの言いなりになるのではなく、子どもの意見を尊重しながら、保育のねらいに持っていく遊びを考えてみてください。

悪魔くん
悪魔くん
ただ作成した計画案通りに遊びを進めるよりも、ずっと楽しいはずですよ。

具体的に伝える

あなたは無意識に、あいまいな言葉を使っていませんか?
友だち相手なら何の支障もなくても、保育所や幼稚園で子ども相手に使うと、思わぬトラブルを招く危険があります。

例えば、よく言いがちな「ちゃんと座って」という言い方。
”ちゃんと”とはどういう座り方でしょうか?
「背筋を伸ばして座る」のか、「前を向いて座る」のか、保育士のあなたには意図があるのでしょうが、子どもには正しく伝わっていない可能性があります。

あすた
あすた
発達障がいの子どもの中には、イメージするのが苦手な子どもがいます。

イメージするのが苦手な子どもに「ちゃんと座って」と言って意図が伝わるでしょうか?
おそらく伝わらないでしょう。
では、どういう言い方をすればいいのでしょうか?
答えは簡単です。
「背筋を伸ばして座りましょう」「前を向いて座ってね」と具体的な言葉で伝えるだけです。

具体的な言葉を入れて伝えることは、簡単ですが意識しないと忘れてしまいがちです。

あすた
あすた
子どもへの言葉かけは、普段から意識して、具体的な言い方ができるよう心がけましょう。

見通しを持たせる

設定遊びをする前に、「どんな遊びをするのか」を子どもたちに伝えていると思いますが、どんな風に伝えていますか?

①言葉で伝える。
②「作り方」などを見せながら言葉で伝える。
③お楽しみにしたいので伝えない。

言葉で伝える。
子どもの反応
・内容を理解できる子もいれば、理解できない子もいる。
結果
・遊びに参加できる子と参加できない子とで差が生まれる。
・参加できない子が置いていかれる。

②「作り方」などを見せながら言葉で伝える。
子どもの反応
・内容を理解できる子が多い。
結果
・自信を持って参加できる子が増える。
・自主的におこなう子が増えるので保育士の手が空き、参加しにくい子への対応がしやすい。

お楽しみにしたいので伝えない。
子どもの反応
・お楽しみにワクワクする。
・何をするのかわからないので不安に感じる。
結果
・楽しめる子と楽しめない子が出てくる。

設定遊び前の伝え方、難しいですね。
どれも正解に見えますが、私が児童発達支援教室で実践していたのは、②の「作り方」などを見せながら言葉で伝える。です。

発達障がいの子どもの中には、見通しが持ちにくい子どもがいます。

何をするのかわからないと不安になり、結果遊びに参加しない子もいます。

あすた
あすた
遊びに参加しない子には、「何を、どのようにして遊ぶか」「何が楽しいのか」を具体的に伝えます。

視覚に強い子なら、イラストを交えた予定表を作って見せる視覚支援が効果的です。

③のお楽しみにしたいので伝えない。は、子どもにワクワク感を持たせるのにはいいと思います。ワクワクする方が遊びに入りやすい子も多いですしね。
その場合は、理解しにくい子には個別に伝えます。

設定遊びに興味が持てるような導入をおこなうことで、子どもに見通しを持たせるのもいいですね。
児童発達支援教室では、視覚支援をしながら言葉で伝え、それでも理解が難しい子どもには個別で伝えていました。
1人で全部おこなうのではなく、サブの保育士が適宜フォローし、スムーズに進めましょう。

死神くん
死神くん
保育士同士の連携もメッチャ大事やで。

褒める

「子ども褒めることは大事です」よく聞きますね。
では、子どもを褒めるとどういう効果があるのかは知っていますか?
保育士として、褒めることの重要性を保護者に伝える機会もあると思うので、一度確認しておきましょう。

子どもを褒めることの重要性

褒められることで子どもはどうなるのでしょうか?

自己肯定感が育つ

子どもを褒めると自己肯定感が育ちます。

自己肯定感とは、「自分は生きる価値のある人間なんだ」「誰かに必要とされている存在なんだ」と自分自身を肯定できる感情のことです。

自己肯定感が高いと自分に自信を持ち、様々なことに挑戦できるようになります。
保育士は、子どもの自己肯定感を高める言葉かけをする必要があります。

褒めることが重要だといっても、何でもかんでも褒めればいいというものではありません。
褒め方にもポイントがあります。

①時間を空けずに褒める
②過程を褒める

①時間を空けずに褒める
子どもが良い行動をした時には、その場ですぐに褒めます。
時間を空けてしまうと、子どもは何に対して褒められたの理解できず、行動と結びつけることができません。

過程を褒める
結果ではなく、挑戦したこと、努力したことを褒めます。
結果だけを褒めると、子どもは失敗してはいけないと思い、挑戦することを避けたり、ズルして成功しようとしたりすることがあります。
挑戦したこと、努力したことを褒めることで、子どもは失敗してもいいのだと理解し、もう一度チャレンジしてみようと思うことができます。

成功体験につなげる

成功体験を積むと自信がつき、やる気とモチベーションが上がります。

遊びでの成功体験を積む場合、どのような遊びがいいのでしょうか?

①苦手な遊びを頑張る
②得意な遊びを十分おこなう

子どものためと思って苦手を克服させようと、子どもの苦手な遊びを促す。ありがちですね。
「苦手を克服する」と聞くと、すばらしいようにも思えますが、子どもからしたらどうでしょうか?

苦手を克服するために、苦手なことを強いられる。嫌なことをさせられる。
大人でも避けたいですね。

「無理強いしない」で、子どもがやらされ感を持たないように促すことが自己肯定感につながると書きました。
苦手をさせる=やらされ感
につながるので好ましくはありません。

一方、得意な遊びはどうでしょうか?
得意なこと、好きなことは、やっていて楽しいです。子どもは時間を忘れて夢中になります。

得意を伸ばすと苦手もついてきます。

得意な遊びを思う存分させることは、私が児童発達支援教室で実践し、得意が伸びれば苦手もついてくることは、何度も実感したことです。

あすた
あすた
保育でも家庭でも子ども達には、好きなことを存分にさせてあげてくださいね。

まとめ

今回は、私が児童発達支援教室で実際に療育に取り入れていたポイントを紹介してみましたがいかがでしたでしょうか?

  1. 無理強いしない
  2. 具体的に伝える
  3. 見通しを持たせる
  4. 褒める
  5. 成功体験につなげる

子どもが思い通りに動いてくれないのは、保育士の力不足です。
療育(丁寧な保育)の5つのポイントを意識するだけで、保育力が上がったと実感できると嬉しいです。

療育を学ぶなら療育施設で実際に療育を体験するのが早道です。
もし、療育施設への転職に興味がおありなら、保育士専門の求人サイトをのぞいでみてください。非公開情報も多数ありますよ。