療育 PR

発達障がいの種類・特性と遊び まとめ

記事内に商品プロモーションを含む場合があります

保育士なら発達障がいのことも勉強していると思いますが、実際の対応となると難しい場面もあると思います。
発達障がいのことをしっかりと理解し、適切な対応ができるようになりたいですね。

発達障がいとは、生まれつきの脳機能の発達のかたよりによる障がいで、得意・不得意の凸凹(でこぼこ)が大きいのが特徴です。

発達障がいの子どもには様々な特性があり、好きな遊びも様々ですが、子どもを観察することで好きな遊びを予測することができます。

発達障がいの種類

「発達障がい」とひとことでいっても幅広く、いくつかの特性を併せ持っている人もいます。

広汎性発達障がい

広汎性発達障がいの特徴

  1. 社会性と対人関係の障がい
  2. コミュニケーションや言葉の発達の遅れ
  3. 行動や興味の偏り

社会性と対人関係の障がい

孤立型
「人に関心がなく、関わるのを避ける」「呼んでも反応しない」「視線を合わせようとしない」など

受動型
「言われたことに何でも従う」「嫌なことも受け入れてパニックを起こしてしまう」「固まってしまう」など

積極・奇異型
「一方的に話し続ける」「同じことを何度も言う」など

尊大型
「人を見下したような言い方をする」「横柄な態度を取る」など

適応型
「社会で適切に対応できる」など

コミュニケーションや言葉の発達の遅れ

・言葉の発達が遅い(オウム返しが多い、単語しか発しないなど)
・会話のキャッチボールが苦手(一方的に話す、受け答えができないなど)
・言われたことを言葉通りに受け取ってしまう(冗談や皮肉が通じない、たとえ話などを誤解してしまう)
・抽象的な言葉の意味や文脈の理解が困難(遊びのルールが分からない、「みんな」に自分が含まれていると気づかないなど)

行動と興味の偏り
・予定の変更や初めての人、場所などが苦手
・食事へのこだわりが激しい、偏食など
・パターン化していない自由時間などが苦手
などがありますが、人により様々です。

注意欠陥多動性障害(ADHD)

注意欠陥多動性障害(ADHD)の特徴

  1. 不注意優位
  2. 多動・衝動性優位
  3. 両方が混合している

・落ち着きがなく、いつも動き回っている
・ちょっとしたことで、激しい癇癪を起こす
・忘れ物が多い
・集中すること、注意して行動することが苦手
・突然走り出すなどの衝動的な行動を取る

学習障害(LD)

知的な遅れはないが、「読む」「書く」「計算する」といった特定のことがうまくできない。

読みの困難
「形の似た字を間違える」「どこで区切って読めばいいかわからない」など

書きの困難
「文字を左右逆さに書いてしまう」「漢字を部分的に間違う」など

計算の困難
「数字の概念が理解できない」「簡単な計算ができない」「3番目と3つの違いが理解できない」など

こうした困難があると勉強がスムーズにできず、周りからは「勉強する気がない」「努力していない」などと誤解を受けてしまい、子どもにとって大きなストレスとなります。

発達障がいの特徴に応じた対応

子ども1人ひとりが様々な特性を持っているので、遊びの促しも個別に行うのが望ましいです。といっても、設定遊びそのものを個別にするのではなく、遊びの中の場面に応じて、個別に適切な対応をするのです。

あすた
あすた
例えばはじまりの会などで、一方的に話し続ける子どもに対しては、ある程度聞いてあげてから、「今は先生が話しているよ」と伝えます。

「言われたことを言葉通りに受け取ってしまう」子どもに対しては、遠回しな言い方はせず、ストレートに伝えるよう意識します。

「予定の変更や初めての人、場所などが苦手」な子どもに対しては、初めての遊びのときに、順番を後の方にし他の友だちの遊びを見せることで、見通しが持てるようにします。

「落ち着きがなく、いつも動き回っている」子どもに対しては、立ち歩くことには触れず、参加できたときに褒めます。また、トランポリンなどを所定の場所に置いておき、時々飛んで発散できるようにします。

このように、子どもの特性に応じて適切な対応をすれば、子どもがパニックになることも減り、保育がスムーズに進みます。

個別対応になるので保育所や幼稚園では難しいかもしれませんが、児童発達支援では、パニックを防ぐために苦手を避けるのではなく、子どもの様子を見ながら少しずつ苦手に触れて慣れてもらうよう関わっています。

発達障がい児の好きな遊び

子どもにより好きな遊びは様々ですが、発達障がい児には遊びのこだわりが強い子どもがいます。

あすた
あすた
自由遊びに子どもが何をして遊んでいるか観察することも大事です。

電化製品が好きで、リモコンやスイッチなどを触りたがる子ども。
数字が好きでお絵かきのときも数字をたくさん書く子ども。
同じ玩具をきれいに並べる子ども。
いろいろな子どもがいますね。

こだわりは凸凹の凸の部分です。そこには大きな伸びしろがあります。
好きな遊びをしていると、子どもの情緒は安定して満足します。
できれば思う存分やらせてあげたいですね。

ですが、計画した設定遊びとは違った遊びだった場合、担当保育士は困ります。

女帝ちゃん
女帝ちゃん
そんな時は、計画の段階で考えてみるといいわよ。

シミュレーションしてみれば打開策が見つかります。
遊びの展開に支障のない程度で、特定の子どもの好きな遊びを少し盛り込んだり、ときには遊びのテーマにしてしまうのもありです。
好きな遊びをご褒美にして、違う遊びを促すという方法もあります。

まとめ

発達障がいの特性と対応でした。
特性も適切な対応も、しっかりと理解しているのとしていないのとでは違います。
理解したうえで保育をすると、きっと保育がもっと楽しくなりますよ。

「子どもの特性を理解してから保育計画を立てる」基本ですが忘れがちです。
保育士を長くしていると、自分のやり方が確立されていき、計画もスラスラ書けるようになります。ですが、同時に「決めつけ」が出てくることがあるので注意してください。

あすた
あすた
「この子はこうだから」と決めつけないで。
「きっとできないから」と決めつけないで。

子どもたちは伸びしろのかたまりです。それは発達障がいの子どもも同じです。
健常児よりちょっとゆっくりかもしれないけど、確実に伸びています。
それを忘れず、明日も頑張って保育してください。

発達障がいの子どもへの対応を学ぶには、療育施設で発達障がい児に関わることが近道です。
もし、療育施設に転職をお考えなら、保育士専門の転職サイトをのぞいてみてください。非公開情報も多数揃っています。