私は今まで療育施設では、児童発達支援、放課後等デイサービス、児童発達支援と放課後等デイサービス複合型の施設に勤めてきました。
今回は、今までの経験からの「療育施設あるある」をいくつかご紹介していきます。
児童発達支援あるある
児童発達支援とは、障害児通所支援の一つで、6歳(小学校就学前)までの障がいのある子どもが主に通い、支援を受けるための施設です。
児童発達支援には、未就学児ならではの「あるある」があります。
お昼過ぎに眠たくなってしまう
年齢の低いお子さん(特に未就園児)によく見られます。
保育所では毎日お昼寝があるので習慣化していますし、年齢的に仕方がありませんね。
就園児でも年少さんは、まだまだ眠たくなってしまうことが多いです。
お昼過ぎに眠たくなってしまう子どもへの対応は、事業所によって異なりますが…
- 午睡OK!時間を決めて起こす
- 無理やりにでも眠らないようにする
- 際限なく寝かせる(おい!) 等
午睡OK!時間を決めて起こす
子どもにも療育者側にもバランスが良いと思います。
無理やりにでも眠らないようにする
限られた療育時間を無駄なく使う為ですが、眠たい子どもを無理やり起こすのは少し切ないですね。
中には保護者の意向を聞き、子どもによってどちらにするか決めている施設もあります。
際限なく寝かせる
児童発達支援と放課後等デイサービス複合型の施設にあるようです。(少ないとは思います…というか、少ないと信じたいですね!個人的にはあってはならないと思いますが)
療育内容に自由度が高く、設定遊びをあまり設けず、悪い言い方をすると「子どもの好きにさせる」方針の施設の場合、またはスタッフの人数が足りずに仕方なく(?)そうしている場合もあるようです。
毎日が参観日
親子通園の児童発達支援事業所では、療育の場を保護者に見られるのは当たり前の日常です。
保護者分離型(子どもだけが利用)の児童発達支援事業所では、基本的には保護者は送迎のみで帰ったり、待機室で待っていたりして、療育の場を見ることはありませんが、中には、動画でいつでも子どもの様子を見ることができたり、「いつでも見てくださいね」と保護者に伝えている施設もあります。
保護者さんによっては、療育時間中ず~~~っと見ておられる方もいらっしゃっいましたね。
まさに毎日が参観日!なので、特に若い保育士は緊張の連続で、毎日程よく疲れていましたね(笑)
動画に撮られる施設は経験ありませんが、これは一瞬たりとも気を抜けない気がして、ストレス溜まりそうな環境ですね。
特に若い保育士は緊張の…(以下略w)
ピアノが苦手な保育士が多い
児童発達支援は、幼稚園等の集団生活に馴染む為の練習をする場でもあります。
なので、幼稚園の縮小版のような療育プログラムを組んでいる施設も多いです。
例えば…
- 朝の会
- 設定遊び
- 排泄
- おやつ
- 自由遊び
- お帰りの会
というような流れで行っている場合「お歌」は必須。にもかかわらず、ピアノが苦手な保育士が多かったりします。
何故なら、療育施設でピアノは弾かないと思って職場を選んでいるからです。
児童発達支援や放課後等デイサービスといった療育施設は、保育士にとってもまだまだあまり馴染みがなく、未知なる職場なようです。
障がい児の施設と聞くと、身体的な障がいをイメージされる方が多く、支援のイメージも医療的なものを強く感じるんでしょうね。
養護施設を選ぶ保育士も同様ですが、「ピアノが苦手だから」という理由で療育施設を選ぶ保育士も多いです。が、覚えておいてください。
児童発達支援において、ピアノは必須です!
もちろん施設により異なりますが、幼稚園の縮小版のようなプログラムを主としている児童発達支援では、ピアノは必須となります。
放課後等デイサービスあるある
放課後等デイサービスとは、障がいのある就学児童(小学生・中学生・高校生)を対象に支援をおこなう施設です。
放課後等デイサービスは、利用児童の年齢の差が大きいので、施設によって形態は様々です。なので「あるある」も様々ですw
施設によって療育内容が全然違う
「放課後等デイサービス」と一口で言っても、療育に対する理念は様々です。
- 学習に力を入れている
- イベントがたくさんある
- 外出メイン
- 専門性が強い
- 自由度が高い
- 集団療育、個別療育 等
学習に力を入れている施設は、元教職や塾講師がいて、学習指導をメインに行います。
放課後等デイサービスは、その名の通り放課後に行う為、平日では時間がかなり限られます。
その為、中には宿題しかしないといった日もあるようです。
イベントや外出が多い施設は、季節ごとに行事を開催したり、戸外に行く頻度か高いです。
綿密に計画された行事は楽しく、スタッフの勉強にもなります。
「社会勉強」といえば聞こえはいいですが、外出するのが当たり前となってしまい、室内で過ごすことに子どもが不満を感じたり、外出費用がかさんだり、というデメリットもあります。
専門性が強い施設では、OT(作業療法士)、PT(理学療法士)、ST(言語聴覚士)等が、連携しながら専門的な促しをします。
OT等の各専門家が在中している施設もあれば、定期的に来てもらう施設もあります。
療育内容が合わない
放課後等デイサービスは年齢差が大きいので、集団活動をメインとしている施設では、大きい子と小さい子で一緒に活動するのが難しい場合があります。
別の活動を計画すれば良いのですが、部屋数やスタッフ数の問題で難しい場合が多いです。
もちろん、年齢差に配慮されたカリキュラムで療育を進めている施設もありますし、年齢によって利用日を変えている施設もあります。
施設を選ぶ際は、施設見学をし、どのような理念で療育がされているかを確認することが必須です。
複合型あるある
児童発達支援と放課後等デイサービスが一体化してる複合型では、より年齢による幅が広く療育内容も様々で、療育計画も促しも、より難しくなります。
療育内容が薄い
年齢幅が大きいことで療育計画が難しくなるのは前述した通りですが、難しいからしない施設や、FC等のカリキュラムのみ行う施設があります。
複合型に限らずですが、計画や促しが難しいので、自由度の高い施設があります。
もちろん自由遊びは大事ですし、そこから子どもが学ぶことも多いですが、それはしっかりと丁寧に支援を行うことが前提です。
目的やねらいもなく、ただ自由にさせているだけでは、子どもの成長は伸びにくいです。
療育をうたっている施設なら当然、療育を行ってしかるべきです。
ですが残念ながら、経営者が療育に対する高い志を持っていない場合は、なかなか難しいです。
スタッフの経験値が低い
児童発達支援も放課後等デイサービスも、療育経験がなくても働くことができます。
その為、障がい児に関わったことのない人が児童指導員として療育現場で働くことも多いですし、全く子どもと関わったことのない人もいます。
もちろん、子どもを支援しながら子どもの特性を理解し、対応を学ぶことができますが、学ぶ為の会議や研修を行わない施設もあるので、事前のチェックは必須です。
まとめ
療育施設での経験は、保育にも療育にも大いに役立つことは確実ですが、働いてみてガッカリしたと感じる施設もあるのが現状です。
まずは、自分がどんな施設で、どんな療育(保育)をしたいか、それを明確にした上で、自分に合った施設を探してみてください。
自分の理想と施設の理念が合致した時、その施設はあなたにとってかけがえのない、やりがいと充実感に満ちた場所となることでしょう。
もしかしたらすぐには見つからないかもしれませんが、根気よく探せば、必ず見つかるはずです。
療育施設は、子どもと共に保育士も大いに学べる場所です。
あなたが、理想の職場に就けますように…。