保育士の皆さん、運動保育士って聞いたことがありますか?
運動保育士は、保育や療育で欠かせない運動遊びに特化した保育士の資格です。
あまり聞きなれない名称なので、知らない保育士さんも多いはず。
そこで今回は、どうすれば運動保育士を取得できるのか、どういった施設で役立つのか等を紹介していきます。
運動保育士とは?
運動保育士とは、NPO法人・運動保育士会が主催する運動保育士会こどもプラスの講座を受講することで認定される、民間資格です。
運動遊びを通して、子どもの好奇心、やる気、達成感、自信、集中力を育むことを目的とした柳沢運動プログラムを学び、3段階の認定を受けることができます。
脳科学の研究データを基に作られた運動プログラムです。
様々な運動遊びから身体を動かす基本を身に付け、安全に運動ができるようになると同時に、社会性や集中力、語彙力等を養います。
柳沢運動プログラムは、運動能力を伸ばすためのスパルタ教育ではなく、子どもが運動を好きになることを第一に考えられています。
例えば、いきなり逆上がりの練習をさせるのではなく、逆上がりに必要な身体の動きができる遊びを促し、積み重ねることで最終的に逆上がりができるよう指導します。
運動保育士は、様々な身体の動きに基づいた遊びを習得し、安全な指導法を学んで子ども達に指導します。
運動に特化した施設でなくても、学んでおいて損はないと思います。
運動保育士になる方法
運動保育士は、「NPO法人 運動保育士会」が主催する講座を受けることで取得できます。
コースは2つあり、それぞれに初級、中級、上級コースが用意されています。
運動遊び実践コース
運動遊び実践コースでは、実際に遊びの内容を実践しながら運動プロセスを学びます。
跳び箱、縄跳び、逆上がりに必要な基本の動きができる遊びを行います。
・取得資格…運動実践アシスタント
・取得日数…半日
・受講条件…指定DVDの視聴又は講演会の参加
・取得資格…運動遊び実践サブリーダー
・取得日数…1日
・受講条件…運動遊び実践初級コースを取得
・取得資格…運動遊び実践リーダー
・取得日数…1日
・受講条件…運動遊び実践中級コースを取得
子育て脳機能コースでは、脳科学の研究で解明されているデータをもとに、脳の発育発達について学びます。
・取得資格…子育て脳機能アドバイザー
・取得日数…半日
・受講条件…指定DVDの視聴又は講演会の参加
・取得資格…子育て脳機能ディレクター
・取得日数…1日
・受講条件…子育て脳機能初級コースを取得
・取得資格…子育て脳機能プロデューサー
・取得日数…1日
・受講条件…子育て脳機能中級コースを取得
資格を取得するために必要な料金は、運動遊び実践コースと子育て脳機能コースがセットになっています。
テキスト代、認定料、試験料、ライセンスカード、認定証
合計 30,000円+税
テキスト代、認定料、試験料、ライセンスカード、認定証
合計 50,000円+税
テキスト代、認定料、試験料、ライセンスカード、認定証
合計 100,000円+税
FCである「こどもプラス」からの参加であれば、料金は無料になるようです。
柳沢運動プログラムや運動保育士に興味があり、実際に学んでみたい保育士さんは、こどもプラスの求人を探してみるのもいいかもしれませんね。
こどもプラスとは?
こどもプラスは、脳科学に基づいた柳沢運動プログラムを主軸とした療育を行う療育施設です。
こどもプラスホールディングスが手掛ける、FC(フランチャイズ)の療育施設となり、全国的に増えています。
FCなので、基本的にはマニュアルに沿った療育を行います。
主軸はもちろん、柳沢運動プログラムです。
脳科学に基づいた運動遊びを主に行う療育施設(児童発達支援、放課後等デイサービス)ですが、オーナーにより内容や対象が異なります。
当然ですが、療育時間の全てが運動遊びという訳ではないので、運動遊び以外の時間に何をするのか、また対象が幼児(児童発達支援)か就学児(放課後等デイサービス)か等により、療育内容も違います。
運動の後に静の遊びを行うと集中力が増すという効果があるので、座って行う遊びや勉強等が設定している教室が多いようです。
施設のカラーはオーナーの考え方によるので、同じ「こどもプラス」という施設でも内容が異なるため、利用を考えている際は見学をおすすめします。
保育士として就職を考えている場合は、運動が得意な人が向いていますが、新規に開設された場合のオープニングスタッフとして働ける可能性も高いので、療育について前向きな方は検討する価値があるのではいでしょうか。
運動保育士の職場
運動遊びは保育所、幼稚園、療育施設など、ほとんどの現場で行う遊びです。
「柳沢運動プログラム」を実際に取り入れている現場も増えています。
運動保育士の求人自体は少ないですが、こどもプラスの他にも大規模商業施設併設のプレイランドや運動教育に力を入れている保育所や療育施設などがあります。
特に児童発達支援や放課後等デイサービスは、施設により特徴が様々なので、運動保育士が加わることで運動療育が強化されることもあり、学んだことを活かすことのできる職場と言えます。
また、「運動保育士募集」と打ち出していない施設でも、面接時や履歴書でのアピールポイントとしては効果があると思います。
まとめ
今回は、あまり知られていない運動保育士についてのお話でしたが、いかがでしたでしょうか。
保育士も子どもと同じで、得意を伸ばせば武器になると私は思います。
何ごとも適材適所です。
得意分野は自信を持てます。
自信を持って子ども達に伝えれば伝わりやすいです。
音楽が好きなら音楽で、運動が得意なら運動で。
保育所や幼稚園では担任として全ての遊びをこなす必要がありますが、少人数療育の児童発達支援や放課後等デイサービスでは、保育士の得意な療育を担当することも可能です。
今回ご紹介した運動保育士は、運動に特化した療育施設には向いています。
ただフランチャイズの資質上、収入の何%かは本部にもっていかれてしまいます。
それでも管理者に理解があり、スタッフが運動好きで、楽しんで仕事ができるならありかもしれません。
もし療育施設をお探しなら、ぜひ保育士専門の求人サイトで探してみてください。非公開情報も多数ありますよ。